太陽光発電の「リースバック型」投資、新たに募集開始 68,000円から
ネクストイノベーション(岡山県玉野市)は、投資者が太陽光発電パネルを購入し、同社にリースバックする方式で産業用太陽光発電に投資できる商品を、10月25日から個人や企業向けに販売開始した。
これは、同社の産業用太陽光発電投資サービス「ソーラーパワーインベストメント」の「SPI太陽光第17号発電所『福谷高圧発電所』(岡山県総社市)」で使用されている300W多結晶太陽光発電パネルを、1枚当たり68,000円(税込)で販売するもの。
販売された太陽光発電パネルは、同社が再度借受け(リースバック)、発電事業を運営することで中国電力(広島県広島市)に売電し収入を得る。パネルに投資した顧客には、太陽光発電パネルの発電実績に応じた売電額の80%が「変動賃料」として支払われる。20%は同社が地代・固定資産税・定期メンテナンス代・見える化システム利用料・保険料など維持管理にかかわる経費に充てる。
このシステムにより、顧客は太陽光発電パネル1枚の購入から、固定価格買取制度(FIT)が適用できる10kW以上の産業用太陽光発電所に投資できる。
同社は、この商品を表面利回り9.8%(売電価格:21円時)で運用する予定。その場合、10年6か月で回収できるとしている。たとえば、15枚を102万円で購入した場合、20年後の予想回収総額は、192万9,774円になる見込み。なお、太陽光発電パネルは、ルンダソーラー社製。
他の太陽光発電所とあわせ「1つの仮想発電所」として運用
同社の投資サービスは、発電所単位の販売実績ではなく、岡山県内で稼働中の同社の太陽光発電所の発電データを合算し、「一つの仮想発電所」として運用する。発電実績をシェアすることで、発電所ごとに異なる立地条件や天候、設備の経年劣化などによる利回りの差を均一化する。
また、購入者は、このSPI発電所の発電状況や収支を、インターネットで、リアルタイムに確認できる。
なお、売電期間の20年間のうちに、出資者が太陽光パネルを売却したい場合、購入後年数に応じて査定し、同社が買い取る制度も用意されている。
1kWあたりの年間太陽光発電量が全国平均を上回る岡山県
同社が太陽光発電所を設置する岡山県は、気象庁発表の「全国気候表」によると、過去20年以上降水量の少なさでは全国1位、太陽光1kWあたりの年間発電量も全国平均を約16%上回るという。
同社は、2016年秋より農業と発電事業を両立するソーラーシェアリングも開始し、原木椎茸約3000本を栽培している。この椎茸は今年11月に収穫され、一般市場で販売するほか、SPI発電所オーナー向けに特別価格で販売される予定だ。